メルカゾール服用患者の風邪薬

メルカゾール服用患者の風邪薬

2017.08.10

<患者情報>
・30歳女性。投薬時、「昨日から風邪気味で鼻水がでて、頭痛がする。市販の風邪薬を購入したい。風邪薬との飲み合わせは問題ないか?」と相談された。

内分泌内科からの処方
Rp)
メルカゾール錠5㎎ 1T 1日1回朝食後 14日分

<解説>
この患者はバセドウ病(甲状腺機能亢進症)と思われる。バセドウ病は、甲状腺刺激抗体ができる自己免疫疾患で、甲状腺ホルモンが過剰生産することにより、甲状腺中毒症状が起こる。中毒症状としては頻脈、手指振顫、動悸、発汗などがあげられる。

一方、一般的に市販の風邪薬の注意書きには「服用前に医師,薬剤師又は登録販売者に相談してください」の項目に甲状腺疾患の記載がある。これは、風邪薬には、エフェドリン(あるいは麻黄)を含有するものが多く、交感神経を刺激し、副作用として心悸亢進、血圧上昇、頭痛・頭重、振戦、不眠、めまい、発汗、神経過敏があり、甲状腺中毒症状を助長する可能性があるため、注意が必要である。

よって、患者に市販の風邪薬をすすめる場合、エフェドリン含有の風邪薬を避ける必要がある。具体的には、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、マオウ(麻黄)の成分表示があるものは避ける。患者によっては、漢方薬なら大丈夫と思っていることがあるが、葛根湯、小青竜湯にも麻黄が含まれるため、安易な服用はひかえるほうがよい。

この患者の場合、市販の総合感冒薬ではなく、アセトアミノフェンなどの頭痛薬とフェキソフェナジンなどの抗アレルギー薬をアドバイスするとよいだろう。

<補足>
甲状腺ホルモンが安定していない状態では上記理由により短期間の服用でも避けたほうがよいが、甲状腺の機能が安定している状態なら短期間服用しても問題ないと思われる。
また、附子を含む漢方は甲状腺機能亢進症/バセドウ病の動悸・不整脈を増悪させるといわれているため、附子を含む漢方(麻黄附子細辛湯など)も避けたほうがいいだろう。
ヨードを含むうがい薬、のどスプレーは必要時に使用する分は問題ないが、毎日使用することは避けたほうがよい。(のどの粘膜から吸収される)

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