原発性胆汁性胆管炎に処方されたベザトール

原発性胆汁性胆管炎に処方されたベザトール

2017.11.17

<症例>
48歳 女性
消化器科処方
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Rp1)ウルソ錠100mg    9錠
  1日3回 毎食後     56日分

Rp2)ベザトールSR錠200mg 1錠
  1日1回 朝食後     56日分
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<患者背景>
原発性胆汁性胆管炎の治療としてウルソを継続していたが、効果がイマイチになってきたためベザトールSRが追加となる。

<文献報告>
原発性胆汁性肝硬変症は中年以降の女性に好発する進行性の自己免疫疾患で、皮膚掻痒感が初発症状として多いが、自覚症状を欠く状態で発見されることも多い。
病因は不明であるが、抗ミトコンドリア抗体が90%以上の症例で高値陽性を示すことが特徴的である。

治療にはウルソデオキシコール酸が第一選択薬として用いられるが、ウルソデオキシコール酸で十分な効果が得られず、高脂血症治療薬であるベザフィブラートの併用によって臨床検査値の改善とともに病理組織学的にも改善が得られた症例報告がある。

その薬理作用として、胆汁へのリン脂質の分泌を促すことで胆管上皮細胞に対する疎水性胆汁酸による細胞障害を抑制する可能性が示唆されている。

また、非肝硬変症例でも胆管閉塞がある一定以上完成されT-Bilが上昇し始めると非可逆的となり、ベザフィブラートによる効果が十分発揮されない症例も報告されており、早期治療が重要であることが示されている。
ウルソデオキシコール酸投与中の原発性硬化性胆管炎でベザフィブラートを併用し、生化学検査が改善したとの報告もあり、他の胆汁うっ滞疾患にもベザフィブラートの有用性が報告されている。

*近年、「肝硬変」と「胆管炎」は同じ意味合いで使われるようになっているとメーカーより確認

<参考文献>
・原発性胆汁性肝硬変症の臨床経過と検査値の推移.熊谷直樹 他.臨床消化器内科p735~p739.Vol25.No6(2010)
・その他の治療薬 ベザフィブラート.岩﨑信二/高知大学医学部消化器内科.治療法をめぐる最近の進歩7(263-00631)p358~p361

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