クラビットと亜鉛の相互作用

クラビットと亜鉛の相互作用

2013.07.12

<患者情報>
50歳男性。投薬時に併用薬を尋ねたところ、「最近、亜鉛のサプリを飲んでいる」とのことだった。亜鉛のサプリは毎朝1回服用している。

泌尿器科からの処方
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Rp)
クラビット錠500㎎ 1錠 分1 朝食後  5日分
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 <レボフロキサシンと亜鉛の相互作用について>
レボフロキサシン(クラビット錠100㎎)と亜鉛を含む胃潰瘍治療剤のポラプレジンク(プロマック顆粒15%)との相互作用について調べた報告がある。ビーグル犬を使用し試験を行っている。

結果は、絶食下の条件では、ポラプレジンク併用時はTmax0.9→3.0(hr)と有意に遅延がみられ、Cmaxも28%低下している。
しかしAUCt1/2には差はみられなかったことから、吸収速度に影響がみられるものの吸収量にほとんど影響がないと考えられた。

 ポラプレジンクとスクラルファート(アルサルミン細粒)と併用したときは、
Tmax0.9→1.3(hr)、Cmax57%低下、AUCt1/254%減少しており、ポラプレジンクがレボフロキサシンに及ぼす影響は、スクラルファートに比べ軽微であることがわかる。
この両剤の併用による吸収阻害は、キレート形成によるものと考えられている。
亜鉛は、銅、鉄、アルミニウムなどに比べ安定なキレートを形成しにくいとの報告があり、また他にも亜鉛はアルミニウムに比べキレートの安定度定数が非常に小さいという報告もある。
これより、亜鉛とのキレートは他のカチオンに比べ、吸収抑制の程度も軽微であると推察される。

一方、非絶食下での試験では、ポラプレジンクはレボフロキサシンの吸収に影響を与えなかった。
これは、ポラプレジンクの溶解性はpHに依存しており、pHが高いほど溶解性は低下することが明らかになっていることから、非絶食下では絶食下に比べ胃内pHが上昇しており、ポラプレジンクの溶解性が低下して遊離亜鉛量が減少したためと考えられる。

つまり、両剤を併用する場合、食後に服用することで、レボフロキサシンの効果減弱を回避できる可能性を示唆している。

 
引用文献)ゼリア新薬工業株式会社 外山誠司、他
抗菌剤の消化管吸収に及ぼす新規抗潰瘍剤Polaprezincの影響
薬物動態,11(1):38-44(1996)

 

 

 

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