セビメリンの口腔リンス法

セビメリンの口腔リンス法

2014.03.14

<患者情報>
・70代女性、シェーングレン症候群で治療中。唾液がでなくて口腔内が乾燥し、ひりひりするとのことであった。
・最初ピロカルピン塩酸塩を服用していたが、ひどい嘔気と多汗で服用中止となった。
・主治医から、今回のカプセル剤の中身を取り出して水に溶かし、うがいすると唾液がでるようになるかもしれない、と説明を受けた。そのときの説明書を見せてくれた。

-----------------------------------------------------------------------------------
内科からの処方
Rp)サリグレンカプセル30mg 3カプセル 13回毎食後 14日分
-----------------------------------------------------------------------------------
 
<セビメリン塩酸塩の口腔リンス法>
・セビメリン塩酸塩は唾液分泌促進薬であるが、この薬剤のムスカリン様作用は、嘔気、腹痛、下痢といった消化器症状や多汗などの副作用を引き起こす。
この副作用を回避するため、内服ではなく、外用として使用する「口腔リンス法」が有効であるとの研究がある。

・口腔リンス法とは、セビメリン1カプセルの内容物を取り出した後、50mlの水に溶解する。溶解液を2分間口腔内に含み、その後吐き出す、という方法である。 

・健常者ボランティア12名を対象として安静時唾液分泌量の変化を検討した結果、口腔リンス法では、平均20%程度の増加率であった。
このうち8名が唾液分泌量の増加を自覚できた。1名に発汗の副作用があった。シェーングレン症候群の患者12名が1日3回2週間継続したところ、9名が唾液分泌量の増加を自覚できた。
副作用としては内服で皮疹がでた患者で同様の皮疹が見られたのみであった。その他の11名では特記すべき副作用はみられず、消化器症状や発汗といった副作用は回避できることが示された。

・平均血漿中濃度は、内服が60ng/mlであるのに対して、口腔リンス法では、1.99ng/mlであり、血中への移行はきわめて少ないことがわかった。

・また、薬の苦味を軽減するため、1%炭酸水素ナトリウム溶液やグレープフルーツジュースを加える方法も提案されている。 

<文献>
医薬ジャーナルVol.40No.5,2004/p.1541
九州大学口腔顎顔面外科 中村誠司 日本化薬株式会社

「診療と新薬」第43巻・第2号 2006.2月号 
久留米大学病院薬剤部 久留米大学歯科口腔医療センター 

© 2017 双和薬局