タクロリムス軟膏が奏効した尋常性白斑

タクロリムス軟膏が奏効した尋常性白斑

2013.09.20

<症例>
50代女性
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皮膚科より
Rp1)プロトピック軟膏0.1% 5g
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・アトピー性皮膚炎に対しての使用か?と尋ねたところ、尋常性白斑への使用との返答だった。(顔に白斑あり)

<文献報告>
タクロリムス軟膏が奏効した48歳・51歳男性の尋常性白斑の2症例がある。
ともに顔面の脱色素斑に対してタクロリムスの外用を行い、良好な色素再生を認めた。

尋常性白斑に対しては一般的にステロイド外用剤やPUVA療法等が行われるが難治例も多い。表皮移植などの外科的治療も有効であるが、ある程度患者への侵襲があり、手技が煩雑である。
タクロリムス軟膏外用は簡便かつ安価で、患者に侵襲の少ない治療法であるといえる。
タクロリムスは分子量が大きく、正常皮膚からの経皮吸収は悪いとされている。体幹、四肢の白斑ではODT(密封療法)を行うなど経皮吸収をよくする工夫を要すると考えられる。

 ※尋常性白斑の原因としては、自己免疫説が広く受け入れられている。
メラノサイトにおいてICAM-1などの抗原発現が増強し、好中球やT-cellなどの免疫系細胞の反応が惹起され、その結果メラノサイトが破壊され、白斑が生じるという機序である。
本例でタクロリムス軟膏が奏効した機序は、T-cellのサイトカイン産生抑制機能によるものと考えられる。

※PUVA療法とは…
ソラレン(psoralen)と長波長紫外線(UVA)を併用する光化学療法である。
外用法と内服法の2種類の方法がある。最小紅斑量の半分程度の紫外線から開始し、徐々に増量するが、最小紅斑量以上の紫外線を用いることはない。
最小紅斑量に到達しない線量でも長期にわたり行うと発癌を誘発する可能性もある。

<参考文献>
臨皮 57巻11号 2003年10月  p.1030-1032
タクロリムス軟膏が奏効した尋常性白斑の2例  岩垣正人・河野由美子・平田靖彦

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