吸入薬使用の実態調査

吸入薬使用の実態調査

2013.04.11

<調査目的>
従来のエアゾル剤に比べ、ドライパウダー吸入剤は確実に吸入ができ、肺への薬剤到達率が高いと言われている。しかし吸入には吸入流速値30L/min以上が必要であり、中には確実に吸入できているかどうか不安に思っている患者もいる。今回ドライパウダー吸入剤を使用している患者に、吸入呼気量が足りているかどうかの再確認を行い、吸入剤のコンプライアンスを高めるよう服薬説明を行った。

<対象患者>
ドライパウダー吸入剤を使用中の60歳以上の患者26名、平均70歳(60歳~90歳)、男性17名、女性9名を対象とした。パルミコート5名、ディスカス(フルタイド、セレベント)12名、スピリーバ12名であった。
*複数ディバイスを使用患者3名

<調査方法>
吸入測定は、パルミコートの呼気吸入量測定器Turbuhaler Usage Trainer (吸入に流速に応じてが、ランプが1~3個点灯する*)を用いた。
また吸入量を測定後、ランプ0と1の患者は薬剤師の指導のもと何度か吸入の練習を行い、再度吸入量を測定し、その変化を調べた。
* ランプ0(点灯しない):吸入流速30L/min未満-吸入できていない。
ランプ1個点灯:30以上40 L/min未満-最低量は吸入できている。
ランプ2個点灯:40以上55 L/min未満-吸入できている。
ランプ3個点灯:55 L/min未満-十分吸入できている。

<結果>
1.年齢別・性別 吸入力の実態
年代別の吸入力は、60歳代と80歳以上では、6名の患者がランプ0であった(表2)。
また、ランプ0の性別は男性1名に対し、女性4名であった。

年代 ランプ0 ランプ1 ランプ2 ランプ3
60歳~ 4 0 1 8
70歳~ 0 0 7 1
80歳~ 2 0 2 1

2.練習後の改善度
初回測定時、ランプ0であった患者が、練習後にランプ1に上がった患者は1名、ランプ2~3に上がった患者は4名であった。ランプ0のままで改善されなかった患者が1名であった。この患者は、入れ歯が合わない為吸入口をしっかり加えることができなていなかった。

ランプの変化 人数
ランプ0→0 1
ランプ0→1 1
ランプ0→2または3 4
ランプ1→2または3
ランプ2→2または3 10
ランプ3 8

<考察>
今回調査対象となった26人中6名の患者がランプ0で最低吸入流速速度が得られていないとがわかった。80歳以上だけでなく、60歳代でもランプ0が見られることより、吸入力は年齢に関係なく、吸入方法や症状の程度が関係すると考えられる。
男女差については、男性17名中2名、女性9名中4名がランプ0であり、男女の体力的な差が呼吸量に反映されているのかもしれない。
 今回、練習後の改善度が、ランプ0からランプ2へ改善した患者が4名いた。これらの患者は、もともと吸入流速速度が十分にあったにもかかわらず、初回の服薬説明時に、必要な呼吸量や吸入時間についての基礎練習ができていなかったために、適正な吸入が行われていなかったためだと思われる。このことからも、吸入薬が適切に使用されるためには、初回時の服薬説明が重要であろう。
また薬剤師だけでなく、患者自身も自分の吸入方法について具体的に知ることができるため、今回使用した吸入テスターは有用である。

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