小児皮膚真菌症患者へのイトラコナゾール投与は?

小児皮膚真菌症患者へのイトラコナゾール投与は?

2013.04.12

1日50mg~100mgで投与された文献がある。

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イトリゾール(50) 1c 1×朝食後  7日分

※小児の母親も、イトリゾール(50)2c 1×M / 7日分で処方された。

<文献1>
○家族内に発症したMicrosporum canis感染症

患者:32歳母親
   12歳女子
   10歳男子
症状:顔面、頭部、胸部にかゆみを伴う紅色皮疹
治療:32歳母親と12歳女子、イトリゾール(50)2c 1×朝食後/7日分+抗真菌剤外用
   10歳男子は、抗真菌剤外用のみ。
   1ヶ月程度で、ほぼ同様に治癒している。
感染源:脱毛のみられた雑種猫を飼育しており、猫が感染源(Microsporum canis)
本症の治療については、体部白癬の場合、抗真菌剤の外用のみでも有効であるが、全身に多発しているときは、抗真菌剤内服治療が確実である。

<文献2> 
・趾間型足白癬(水虫)1例

患者:11歳男子
症状;重症化した趾間型足白癬(潰瘍形成)
治療:イトリゾール(50)2c 1×   
4ヶ月間の治療期間を要した

<文献3> 
頭部白癬の小児例4例
症例1~4すべて、原因菌はMicrosporum canis であった。

○症例1
患者:11歳男子 25kg
病名:頭部浅在性白癬(脱毛班あり)
治療:イトリゾール(50)1c 1×朝食後 7日間投与後、100mgへ増量。
投与期間は77日間(11週)
感染源:のら猫(Microsporum canis)

○症例2
患者:8歳女子 25kg (症例1と症例2の患者は兄妹)
病名:頭部浅在性白癬(脱毛班あり)
治療:イトリゾール(50)1c 1×Mで7日間投与後、100mgへ増量。
投与期間は77日間(11週)
感染源:のら猫(Microsporum canis)

○症例3
患者;2歳女子 13kg
病名;ケルスス禿瘡(トクソウ) →頭部に生じたいわゆる「深在性白癬」
治療:イトリゾール(50)1c 1×Mで50日間(7週)
感染源:のら猫(Microsporum canis)

○症例4
患者;10歳女子 38kg
病名;ケルスス禿瘡(トクソウ) 頭部に生じたいわゆる「深在性白癬」
治療:イトリゾール(50)1c 1×Mで42日間(6週)
感染源:のら猫(Microsporum canis)

※症例1と症例2は、ケルスス禿瘡(トクソウ)への移行防止のため、50mgを7日間投与後に100mgへ増量している。50mgでも十分な効果が得られると推測されている。

<文献4>
異なる経過をとった頭部白癬の2例

○症例1
患者:4歳男子
症状:頭頂部の脱毛(頭部白癬)
治療:イトリゾール50mg/dayの内服により、約22週で完治
内服開始の当初、下痢の訴えがあったが、1週間後から整腸剤の併用により改善、治療継続が可能となった。

○症例2
患者:4歳男子
症状:頭頂部の脱毛(頭部白癬)
治療:イトリゾール50mg/dayの内服により、約11週で完治

※同じ年齢の患者だが、症例1では頭部白癬からケルスス禿瘡へ発展したため22週要した。

<文献5> 
Trichophyton mentagrophytes によるケルスス禿瘡と体部白癬

○症例1
患者:10歳女児
症状:頭頂部の脱毛を伴う皮疹(ケルスス禿瘡)
治療:イトリゾール50mg/dayの内服を11週。
感染源:ペットのシャングリアン・ハムスター(Trichophyton mentagrophytes)

○症例2
患者:14歳女児
症状:顔面の皮疹(体部白癬)

治療:ニゾラールクリームを外用するも効果なし。グリセオフルビン500mg/日内服に変更したが、患者が眠気を強く訴えるため、イトリゾール100mg/日内服したところ、皮疹は3ヵ月後に完治。
感染源:チンチラ(モルモットなどに近縁の齧歯類)(Trichophyton mentagrophytes9)

参考文献
①臨皮 52(11):922-923,1998
②Prog.Med23:2441~2443,2003
③基礎と臨床 25(2):173~179,1991
④Jpn.J.Med.Mycol.39:109-112,1998
⑤Jpn.J.Med.Mycol.41:269-273,2000

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