抗うつ剤の服用時間の違い

抗うつ剤の服用時間の違い

2013.05.17

<患者情報>
75歳女性の処方。 訪問看護のナースから質問があった。
「今まで、リフレックスを寝る前に飲んでいた患者さん。
今回からサインバルタが朝の処方になっているが、飲む時間を間違ってしまって困っている。
どっちも同じ抗うつ剤なのにどうして飲む時間が違うの? 」
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内科からの処方
Rp)
メマリー錠20㎎ 1錠 分1朝食後 14日分
レミニールOD錠8㎎ 2錠 分2朝夕食後 14日分
レンデム錠0.25㎎ 1錠 分1眠前 14日分
ドグマチール錠50㎎ 2錠 分2朝夕食後 14日分
サインバルタカプセル20㎎ 2カプセル 分1 朝食後 14日分
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1.ミルタザピン(リフレックス)はヒスタミン H1 受容体への親和性が高く、受容体の阻害作用に基づく鎮静作用がみられるため就寝前投与が推奨される。
承認時の臨床試験において、日本人及び外国人ともに最も発現頻度の高かった副作用は、傾眠及び鎮静に関連する作用であり、多くは投与初期に発現していた。
ミルタザピンは集中力と機敏性を減じる可能性があるため、特に自動車の運転や機械を操作する場合には十分な注意が必要であると共に、鎮静作用を増強する可能性があるため、ベンゾジアゼピン系薬剤との併用には注意が必要である[文献 1]。

2. ミルタザピンの薬物動態は食事の影響を受けないため、食後投与でも問題はない[文献 1]。

3. 外国人健康成人女性 14 例を対象に、デュロキセチン(サインバルタ) 40 mg を朝空腹時、朝食後、夜就寝時 (空腹) の条件下での単回経口投与試験が行われた結果 (クロスオーバーデザイン)、朝食後投与の Cmax、AUC0-∞ は朝空腹時投与との間に有意な差は認められなかったが、夜就寝時 (空腹)投与の Cmax、AUC0-∞ の朝空腹時投与に対する比は各々 0.72、0.81 と有意に低かったことが報告されている。
また、夜就寝時(空腹)投与の Tmax は 10 時間(中央値)であり、朝空腹時投与の Tmax 6 時間(中央値)に比べて有意に延長したことから、デュロキセチンの薬物動態に及ぼす投与時間の影響が示唆された。
一方、国内における臨床試験では、すべて朝食後投与でありその他の用法における有効性および安全性は検討されていない。
以上、薬物動態に及ぼす投与時間の影響があること、実際の臨床試験が朝食後に行われたことなどからデュロキセチンの用法は「朝食後」と決められた[文献 2]。

4. 海外臨床試験は投与時間を限定しておらず服用した時間の記録もないこと、朝食後以外の用法における有効性および安全性は検討されていないことから、デュロキセチンを就寝前に服用した場合の効果、副作用などに問題がないかどうかは不明である。
但し、申請時国内臨床試験《 5.3.5.1-17:第3相臨床試験うつ病・うつ状態に対する二重盲検群間比較試験 (5 mgに対する40 mg,60 mgの優越性試験) 、5.3.5.1-02:第3相臨床試験うつ病・うつ状態に対する二重盲検群間比較試験 (プラセボ及び塩酸パロキセチン水和物を対照とする比較試験、5.3.5.2-01:第2相臨床試験うつ病・うつ状態に対するオープンラベル試験、5.3.5.2-02:第3相臨床試験うつ病・うつ状態に対する長期投与試験》の朝空腹時、朝食後、夜就寝時 (空腹) において、有害事象発現内容には違いはなかった[文献 2]。

【参考文献】 1. レメロン錠 15 mg/リフレックス錠15 mg 審議結果報告書,p.46
2. サインバルタカプセル 20 mg/30 mg 審議結果報告書p.30-31 i-phiss育薬・医薬品適正使用コンサルティング事例その122より

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