耳鼻科から六味丸の処方は何故か?

耳鼻科から六味丸の処方は何故か?

2013.04.12

耳鼻科からの処方

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ツムラ六味丸 7.5g 1日3回 毎食前 14日分

<適応外処方>
ツムラ六味丸の添付文書では、効能・効果は
「疲れやすくて尿量減少または多尿で、時に口渇があるものの次の諸症:排尿困難、頻尿、むくみ、かゆみ」とあるので、耳鼻科からの耳鳴りの治療は適応外処方である。

<何故耳鳴りに効果があるのか?>
耳鳴りの治療に使用される代表的な漢方薬として、牛車腎気丸、八味地黄丸などがある(適応外処方)。六味丸は、牛車腎気丸から、修治ブシ末、ゴシツ、シャゼンシ、ケイヒを抜いたものである。修治ブシ末は、体を温めて血行を促す働きがあるため、比較的体力の低下した人に使用されるもので、六味丸は修治ブシ末が入っていないため、牛車腎気丸、八味地黄丸を服用してのぼせ感を訴える場合に代替と使用されることがある。
今回、この87歳の患者は、高齢であるが比較的体格も良いことから修治ブシ末が入っていないものが処方されたのではないかと考えられる。

<参考>
耳鳴りのみの適応をもつツムラの漢方薬は現在のところない。
上記の他に耳鳴りの治療に使用されるものとして、釣藤散(慢性の頭痛、肩こり、めまいを訴え、のぼせ、耳鳴り、不眠、眼球結膜の充血を伴う場合)、七物降下湯(高血圧に伴う随伴症状:のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重)などがある。

<参考>
腎虚(老化を意味する言葉):漢方では腎臓が全ての臓器を統合してコントロールすると考える。老化するとこのコントロールの力が落ちるので、色々な所に障害がおき、血圧上昇、耳なり、腰痛等が起こると考えられている。

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