耳鼻科領域のセファランチンとトーク

耳鼻科領域のセファランチンとトーク

2013.04.12

<患者情報>
73歳男性。耳がつまった感じがするため、耳鼻科を受診。
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Rp:セファランチン 9T 3×毎食後 10日分
  トーク 1日2回朝晩 両鼻に
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<セファランチンとトークの処方意図>
耳のつまりの改善効果を期待(病名は不明)

<慢性慘出性中耳炎、慢性中耳カタールに対するセファランチン静注の使用報告>
セファランチンは古くから用いられた薬剤であったが、強力な治療効果は認められず、長期連用により次第に効果が認められ、耳鼻咽喉科領域において種々の疾患について使用されている。
よって、セファランチンのより強力な薬効を望むべく、次第に高単位のセファランチンが作られて使用されるようになった。

(臨床報告)
セファランチンの10mg、または20mgのものを、20%ブドウ糖20ccと共に静脈内に注射を行って、慢性慘出性中耳炎、慢性中耳カタールに対して、著名なる効果を示した報告がある。

・10mgを使用した症例11例
   中耳カタール8例・・・主訴は耳閉塞感、難聴、耳鳴り
   中耳炎3例・・・主訴は耳漏、耳痛
・20mgを使用した症例21例
   中耳カタール11例・・・主訴は耳閉塞感、難聴、耳鳴り
   慢性中耳炎7例・・・主訴は耳漏
   急性中耳炎3例・・・主訴は耳漏
・セファランチン10mgまたは20mgの静脈内注射を行った結果、著効9例、有効17例で合計26例。これは全症例の81.3%にあたり、セファランチンの高単位使用は非常に効果があり、特にセファランチン20mgの使用が、より有効であったものと認められた。
・従来のセファランチン5mg静注で、治療効果が認められなかった10症例に対して、著効2例、有効7例で、10例中9例において有効であった。セファランチン10mg又は20mgを使用することにより、治療効果を速やかに発現できると示唆された。

※セファランチン注10mg/20mgの添付文書において、滲出性中耳カタールの用法用量。
健常成人には、タマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして1回2~5mgを1日1回静脈内に注射するか又は皮下に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

※セファランチン錠の適応は、放射線による白血球減少症と円形脱毛症・粃糠性脱毛症のみ。

<トークについて>
適応は諸種疾患による鼻充血・うっ血だが、適応外で耳管狭窄に使用されることがある。
例えば、飛行機にのる場合、離発着の30分前に点鼻薬を使用するケースがある。

<参考文献>
耳鼻臨床61:1;61-64、1968
耳鼻咽喉科処方ノート(中外医学社)p10-13

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