育毛作用のある泌尿器科の薬

育毛作用のある泌尿器科の薬

2013.09.06

<患者情報>
・ 60歳代男性。排尿障害のため受診した。
・ 薬局で投薬時、患者から「毛が生える薬はどっち?」と質問があった。
・ 患者の話によると、Drが「この薬で頭の毛も生えるかもしれないよ」と
  説明があったとのこと。
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泌尿器科からの処方
Rp)
タムスロシン塩酸塩錠0.2㎎ 1錠 分1 朝食後  14日分
デュタステリド0.5mg 1カプセル 分1 朝食後  14日分
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○デュタステリドの発毛作用についての臨床試験が2つある。

<海外第Ⅱ相用量設定試験>*1
(試験方法)
416例の脱毛症の男性を、プラセボ、デュタステリド0.05mg、0.1mg、0.5mg、2.5mg、フィナステリド5mgの5群に分けて1日1回24週間投与し、投与12週、24週において発毛効果の評価をおこなった。
(結果)
①  頭髪数…直径1インチあたりの頭髪数を測定。投与12週、24週において、デュタステリド0.1mg、0.5mg、2.5mg投与群でプラセボと比べて有意に頭髪数が増加した。増加数は、用量依存的であった。デュタステリド2.5mg投与群は、フィナステリド投与群よりも頭髪数が有意に増加した。
②  専門家による評価
・ 頭頂部…投与24週で、デュタステリド0.5mg以上投与群は、フィナステリド投与群よりも有意な発毛効果がみられた
・ 前頭部…投与24週で、デュタステリド2.5mg投与群は、フィナステリド投与群よりも有意な発毛効果がみられた。

③ 治験医師による評価・患者による自己評価
投与24週で、デュタステリド2.5mg投与群は、フィナステリド投与群に対して有意に発毛効果があると評価された。
④安全性、忍容性に関しては、全ての群で差は認められなかった。
(結論)
・ デュタステリドの発毛効果には、用量依存性が認められた。
・ デュタステリド2.5mgは、フィナステリド5mgに比べて優れた発毛効果を示した。

<プラセボ対象二重盲検比較試験>*2
(試験方法)
153例の脱毛症の男性を、デュタステリド0.5mg/日投与群、プラセボ投与群の2群に分け、投与3ヶ月、6ヶ月における発毛効果を検討した。
(結果)
① 頭髪数…投与6ヵ月後において、デュタステリド投与群(+12.21本/cm2)ではプラセボ群(+4.67本/cm2)に比べて有意に頭髪数が増加した。
② 患者による自己評価・専門家による評価…投与6ヶ月後において、「頭髪が増えた」と評価される患者の割合が、デュタステリド投与群で、プラセボ投与群に比べて有意に高かった。
③ 全有害事象、薬剤に関連する有害事象は、デュタステリド群、プラセボ群間で差は認められなかった。

 
○  デュタステリドの育毛のメカニズム
男性型脱毛症の発症には、ジヒドロテストステロンが関与している。
5α還元酵素により、テストステロン→ジヒドロテストステロンへ変換されるが、デュタステリドは5α還元酵素を阻害することで、ジヒドロテストステロンの濃度を低下させる。
そのため、脱毛が抑えられ、発毛効果が得られるものと考えられる。
尚、5α還元酵素には、主に頭皮を含む皮膚に広く分布するⅠ型、毛包・前立腺に分布するⅡ型がある。フィナステリドはⅠ型のみを阻害するのに対し、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型の両方を阻害する。そのため、デュタステリドの方が優れた発毛効果を示したものと考えられる。

 
○  参考文献
* 1 Olsen EA ,et al. : J Am Acad Dermatol. 2006;55(6);1014-1023
* 2   Eun HC ,et al. : J Am Acad Dermatol. 2010 Aug;63(2);252-8

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