脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)による頭痛に対するテオドールの処方

脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)による頭痛に対するテオドールの処方

2013.12.13

<患者背景>
60代女性で頭痛が続いている。膀胱瘤(膀胱脱)で入院。その際の脊髄ブロックの影響で髄液が漏れており、これが原因で頭痛が起こるため脳神経内科を受診するよう言われた。

<症例>脳神経内科処方
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プレドニン錠5mg   8T 1×朝食後
タケプロンOD錠15mg  1T 1×朝食後 
テオドール錠100mg  2T 2×朝夕食後 
ツムラ柴苓湯     9g 3×毎食後  /8日分

カロナール(200)  2T 頭痛・発熱時   /5回分
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<文献報告>
硬膜外ブロック後に重度の低髄液圧症候群(IH)を呈し、ステロイドパルス療法とテオフィリンを組み合わせた薬物療法が著効した症例報告がある。

・メチルプレドニゾロン1000mgのパルス療法三日間
・運動量増加に伴う症状悪化によりテオフィリンの内服400mg/日より開始

症状増悪なく二週間後に200mg/日へ減量、さらに二週間後に中止→職場復帰

 IHは保存的治療で改善することが多いが、保存的治療では改善せず長期化し、長期臥床を強いられる場合には硬膜外自家血パッチ(EBP)や生理食塩水硬膜外持続注入法などの積極的治療が必要と考えられている。しかし、EBPは患者の拒否や凝固異常、解剖学的異常、穿刺部位の感染などがある場合は非適応である。
代替治療として薬物療法が重要であり、カフェインが最もよく使われている。カフェイン250~500mgを静脈注射もしくは経口投与は腰椎穿刺後の頭痛の70%に効果がある。
薬理学的に類似したテオフィリンなどのキサンチン誘導体にも同様の効果があるとされており、これらの薬剤はアデノシン受容体を阻害し脳血管を収縮させ、髄液産生を増加させることで症状を軽減する。

 *低髄液圧症候群に対する治療法はいくつか報告あり
(参照:双和DI-box 適応外処方「低髄圧性頭痛に対するアマージ処方」)

 
<参考文献>
・硬膜外ブロック後の重度の低髄液圧症候群にステロイドパルス療法とテオフィリンが著効した1例.菊井祥二 他.神経内科63(3):295-298,2005

 

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