フォリスチム注:50u/75u/150u カートリッジ:300u/600u/900u(MSD株式会社)

フォリスチム注:50u/75u/150u カートリッジ:300u/600u/900u(MSD株式会社)

2014.07.31

【一般名】フォリトロピンb (遺伝子組換え)

効能・効果
①複数卵胞発育のための調節卵巣刺激(50uは除く)
②視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発(150uは除く)

用法・用量
①通常1日150又は225IUを4日間皮下又は筋肉内投与する。
その後は卵胞の発育程度を観察しながら用量を調整し(通常75~375IUを6~12日間)、平均径16~20mmの卵胞3個以上を超音波断層法により確認した後、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤により排卵を誘起する。
②通常1日50IUを7日間皮下又は筋肉内投与する。その後は卵胞の発育程度を観察しながら用量を調整し(卵巣の反応性が低い場合は、原則として、7日間ごとに25IUを増量)、平均径18mm上の卵胞を超音波断層法により確認した後、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤により排卵を誘起する。

同種・同効薬 
ゴナールエフ(ホリトロピンa)

製剤情報
・臍部直下の下腹部又は大腿部に注射する。注射部位は毎回変える。
・カートリッジは交換式であり、ペン型注射器の耐用期間は2年間。
・手技に慣れている場合、医師の指示があれば空打ちは必ずしも必要ではない。
・未使用の場合は2~8˚Cで使用期限まで、25˚C以下では3ヶ月間保存できる。冷凍は避け、遮光保存。
・開封後は2~25˚Cで最大28日間保存できる。(なるべく冷所が良い)
・病院の外来で手技の説明を行う。使い捨て注射針は病院内で渡す。

その他特記事項
・卵胞刺激ホルモン(FSH)
・本剤は遺伝子組換え製剤であるため、従来の尿由来製剤と比べ下記のメリットがある。
 ①純度は99%以上で、ヒト尿由来のたん白質等の不純物を含まない。
 ②ロット間のバラツキが少ない。
 ③原材料調達の制限がなく、製剤の安定供給が可能である。
・注射量を50IU~450IUまで25IU毎に設定できる。
・性腺刺激ホルモン製剤による不妊治療では一多胎妊娠、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)による血栓症といった合併症のリスクがある。
・本剤は低用量漸減法をとることにより、上記のリスクを抑えられる。
・名前の由来:Follicle Stimulating Hormone(FSH)

*卵巣過剰刺激症候群(OHSS):排卵誘発剤により多数の卵胞が発育し卵巣が腫大し、それにより下腹部痛を生じる。また血管透過性も亢進し、それにより腹水、胸水が生じ呼吸困難、乏尿となる。血液が濃縮されるため、血栓症を生じる。

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